本『植物は知性をもっている』第3章の感想。20もの感覚!?

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植物の写真

人間は五感を持っています。視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚ですね。

植物はなんと、この五感だけでなく、さらに十五の感覚を持っているそうなのです!

合計20ですよ!?二十感ってなに!?

以前の記事でも述べましたが、人間は植物への「無感覚」という偏見が抜けません。

この偏見は古代ギリシア時代からずっと語り継がれてきたものです。

「植物には脳みそがない。脳が無ければ考えない。感覚もない。植物は魂がない存在だ」

たしかに、そのような気がします。

…人間の考えではね!

何億年も前に進化の道を大きく違えたために、植物は動物とまったく違う独自の進化を遂げました。

生まれた場所に定住するしかない植物は、敵から走って逃げる能力を持ちません。ゆえに、私たちと同じような脳や心臓、目や耳なんて持っていれば、ひとかじりされただけで死に絶えます。絶滅まっしぐらなのです!

だから彼らは、大切な器官を全身に分散させることで、死のリスクを小さくしました。おかげで牛や羊に体をばりばり食べられても死ぬ事はありません。再生してまた生えてきます。

要するに、私たちが目や耳で得る情報を、植物は独自の方法で得ているのです。

全開に引き続き、こちらの本をソースに詳しくお話していきます。

視覚

人間は目でものを見ますね。そもそも、視覚ってどういう意味なのでしょう。

厳密には、「目で見る力」もっと細かく言うのなら、「光学的な刺激を知覚する能力」のことを言います。

ぶっちゃけますと、光がわかるなら視覚はある!とみなしちゃっていいと思うのです。

植物に目はありませんが、彼らにとって光は生きるためにもっとも大切な存在です。光合成しなきゃいけないからね!つまり、光を認知できなければ生きていけないのです。

穴を空けた箱に植物を入れると、穴から入る光を認識し、光の差す方向へと成長していきます。

そして、側に他の植物があれば、相手の邪魔をしようと葉を重ねていこうとしますし、先に成長しようと急ぎます。

光の位置だけでなく、ライバルの存在も認識できるとは…

人間とは違うけど、見えていないとは言い切れませんよね。

嗅覚

植物はにおい(BVOC)から情報を得るそうです。また、自分自身もにおいを出します。ハーブや果物のにおい、とってもいいですよね。植物のにおいには、虫や動物をおびき寄せたり、また追い払ったりする役割を持ちます。

植物が発するにおいは、彼らのメッセージ…言葉なのです!

たとえば…トマトは敵に襲われた時、数百メートル先にまでSOSのにおいを放出するそうです。

五感の中でも嗅覚は、唯一ダイレクトに脳に情報が届く感覚です。

植物は「おいしいよ!」とか「あっちへ行け!」というメッセージを、においでもってダイレクトに相手に届けるわけですね。

まさに、(こいつ、直接脳内に…!)ってやつです!

味覚

『植物は知性をもっている』によると…植物はグルメなんだそうですよ。

読んだときは私も「なにー!植物が食べ物を選んでいるとでもいうのかー!」と思ったのですが…本当みたいです!

たとえば、ハエトリグサ!この植物は、ハエなどの小さな虫を、歯のついた二枚貝のような葉でガッシリ閉じて捕まえ、自分に足りない栄養を吸収するのですが、なんと、食べたくないものや消化できないものは放しちゃうそうです。

獲物を選ぶことができるんですね。

そして、土の中のわずかなミネラルをさがす植物の根。これは食材を探す人間の舌とよく似ています。実際、ミネラルの多い場所があればそこに多く根を張ろうとします。

ちなみに、虫を捕らえるハエトリグサやウツボカズラは、窒素を得づらい沼地などに生息しています。窒素を得るには、動物を捕まえるしかないのです。

欲しい栄養を理解して、必要な食材を選ぶことができる。美味しいと感じるかはともかく、たしかに味覚があるのかもしれませんね。

触覚

さっきお話したハエトリグサですが、二枚の葉の中に3本の感覚毛を持っています。それにハエが触ることでばくーーっと閉じる仕組みなのです。

この時点で触覚があることは間違いないですよね…

他にもオジギソウという植物!指でつついたりすると、きゅっ…と身を縮めるように葉をとじます。身を守ろうとしているのでしょうかね?はっきりとした理由はまだわからないそうです。

面白いのは、風が吹いたり、水にぬれたりしても葉は閉じないんです。

刺激を識別することもできるんですよ!すごい!賢い!

植物の根っこも触覚がある可能性があります。

土の中に障害物がある時、ぐるりと回り込みながら障害物を調べ、安全と確認してからまた根を進めていくのです。

良い物を避け、悪い物を避ける。触って調べて選択する能力も、植物にはあるようですね。

聴覚

植物に話しかけるとよく育つ!と言う人をしばしば見かけます。それは本当なのでしょうか?とくに話しかけなくても育つことは育つので、愛するあまりそう感じてしまうだけなのかもしれませんよね。でも、育てる人の声を認識しているなら、なんだかロマンを感じます!

ところで、音ってなんでしょう?

音は、「振動」ですね。振動は、空気を通して、私たちの耳まで届きます。そうすることで私たちは振動を音として認識できるわけですね。

ミミズやヘビは、私たちと同じような耳は持ちません。どうやって音を認識するのでしょう。

それは、土です。土は振動がよく伝わります。ヘビとミミズは土の振動によって周りで発生している音を認識します。

耳が不自由な人も、太鼓の音はよく感じる事ができます。振動は耳じゃなくても感じ取ることができるからです。

では植物はどうなのでしょう。彼らにも耳はありませんが、もしかして、振動として理解しているかもしれません。

そこで、ある実験が行われました。

音楽を聞かせながら育てるブドウと、聞かせないで育てるブドウをそれぞれ育て、その成長を観察するのです。

結果はなんと、音楽を聞かせたブドウの方が生育状態がよかったのです!さらに、味や色も良いと来ます。また、その音楽はブドウの天敵を遠ざける効果もありました。

ただ、重要なのは音楽の種類ではなく、周波数です。植物は低周波がお好きなようですね。

この結果は非常に嬉しいですよね。植物に声をかけるのは、少なくとも無駄ではないようです。あなたの声、届いてますよー!

さらに15の感覚!?

本には、なんと人間のもつ五感をすべて持っているだけでなく、さらに15の感覚を持っていると書いてありました!ひえ~~~~超人か!!!人じゃないけどね!!!

例としては、温度を感じる力、重力を感じる力、磁場を感じる力、また、化学物質を感知、測定する力も持っているようです。

すごーい!

それでもやっぱり人は、彼らを「無感覚」「受動的」と思い込んでしまいます。

不思議ですが、彼らがここまで優れているからこそ、私たちは彼らからエネルギーや食べ物、生活のヒントを得る事ができるのでしょう。ありがたや。

最後に…

「エコ」という概念が生まれたのは、人間と植物の距離が縮まった証拠なのではないでしょうか。研究が進んでいなかったころは、人々は植物のこと、心も知性もない愚かな存在として見ていたといいます。もちろん、悪い存在とも思っていなかったはずですが。つまり、そのへんに転がる石と同じように思っていたのです。

しかし今日、人間は研究を積み重ね、植物を地球に生きる仲間…いえ、それ以上に重要で可能性に満ち溢れた存在だということに気づきはじめました。これは非常に素敵な事だと思います。

今までもこれからも、私たちは植物無しで生きていけるはずはないのですから、もっと彼らの事を知る必要があるでしょう。そして守り、守られていく必要も。

動物や虫、魚よりも理解しがたい彼らですが、いつかもっとわくわくするような発見が待っているのかもしれないと思うと、楽しみですね。

(ところで、植物を無感覚と言う時、「石のように」なんて表現しちゃいますが…も、もし石にすら命があるのかな…なんて想像してソワソワしてしまうこともあります)

はい、ではそろそろお開きにします。読んでくださりありがとうございます!ノシ

本『植物は知性をもっている』第1章の感想。植物偉大すぎ!

本『植物は知性をもっている』第2章の感想。植物は動物より優れてる?

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