映画「ダウンサイズ」の感想。身体を縮小すれば幸せになれるのか?

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「ダウンサイズ」ずーっと放置していたのですが、先日やっと観ることができました。

一言でいうとめっちゃ良かった。私には一生忘れらない映画です。

でもレビューを観たら想像よりずっと低評価でした///

「思ってたのと違った」って意見が特に多かったように感じます。

それは私も同感です!

上に貼った予告、見ました?

なんとなくコメディっぽくないですか?

実際はぜんぜんコメディじゃないです。深イイ~感じの映画です。

だから「思ったのと違う」「期待してたのと違う」って言われても仕方ないかなって///

でもそこがこの映画の良いところです。

そう思う理由は後述します。

(ネタバレあるのでご注意)

先入観を覆す映画

この映画は終始、表面的な印象を後からひっくり返すような演出をしてきます。

主人公ポールを通して、私も第一印象に振り回されて狭い視点からしか物事を見ていないことを思い知らされました。

思い出せるかぎりの例をご紹介します。

ドゥシャンの第一印象

  • 金の亡者
  • なんかうざい
  • 怒らせたらやばそう
  • 危険なことに巻き込んできそう

最終的な印象

  • 懐が広い
  • 人生めっちゃ楽しんでる
  • 大物感
  • 惑わされない
  • 友達になりたい

ノク・ランの第一印象

  • 犯罪者
  • なにか盗んできそう
  • 危険なことに巻き込んできそう

最終的な印象

  • 使命感を持って生きている
  • たくましい
  • 思いやりに溢れている
  • 「たった今」を全力で生きている
  • どんな幸せにも気づくことができる
  • 盗まれたのはポールの心です

ヨルゲン博士の計画の第一印象

  • 地球や人類のために正しいことをしている
  • 未来を見据えた素晴らしい思想
  • 希望や絆を感じる
  • ポールたちは彼らについていくべきだ

最終的な印象

  • あかん
  • カルト集団や
  • 一理あるが壮大すぎてついていけない
  • ポール、行ったらあかん

このように、映画のあらゆるところが初めと後とで印象が変わるように作られていました。

そう考えると予告と本編のギャップも演出のひとつだった可能性が…!なんて考えちゃいます。実際はわからないけど///

テーマの一貫性について

物語に「身体の縮小」という要素は必要なかったんじゃないか?

という意見も見かけたのですが、そもそもこの映画、そんなテーマの作品じゃなかったと私は思うんです。

たしかに終盤は壮大な話になっていきますが、「縮小」要素は不要だったのか、というとまったくそんなことはありません。

この映画のテーマは「幸せ」についてだと思うのです。

人生でどんな選択をしようとその先に幸せがあるなんて保証はない。しかも、後戻りもできない。

そんなメッセージが映画全体で一貫していたように感じます。

特に後戻りが許されなかった大きな選択が、「縮小」と「人類補完計画」です。

人類や地球を守るため、という壮大な思いから生まれた2つの計画。

ポールは「縮小」はやりきりましたが、ギリギリのところで後戻りしてしまった奥さんと離れ離れになってしまいます。最高の人生を手に入れるはずが、最愛の人との別れという結果に。

一方、「人類補完計画」はギリギリで後戻りしました。もしポールがこれもやりきってしまったら、ノク・ランと永遠に離れ離れになるところでした。計画そのものだって、どんな結末になっていたかわかりません。ドゥシャンの言うように内輪もめして悲惨なことになっていたかも。

私たちは「世界を守る」「人類を守る」なんていう壮大な幸せを掲げるあまり、足元の小さな幸せが見えなくなっている。

そんな教訓が伝わってきました。

こんなことを言うと、人によっては「説教くさいなあ」と感じるかもしれません。

実際に禅の教えはこんな感じですよね。「過去や未来に囚われず”今ここ”に集中しなさい」みたいな。

そんなわけで、「縮小」は人類の大きな選択肢という意味で重要かつユニークな要素だったと思います。

ダウンサイズは「身体」ではなく「幸せ」である

私が最終的に得た答えはこれ↑です。

タイトルの「ダウンサイズ」は物理的な意味ではなく、もっと深くて難しいものに感じました。これもある意味、先入観をひっくり返される要素でした。

ノク・ランちゃんが幸せのダウンサイズの見本ですね。

残飯をもらえることに心から感謝したり、ヨルゲン博士に会えることに涙を流して喜んだりと、とにかく幸せのハードルが低いんです。

自分の幸せのサイズを小さくすると、感じられる幸せの大きさってものすごく大きくなりますよね。

「大金持ちになって数千万の高級車を乗り回したい」って考えている人と、「今日も足があって歩けることがありがたいなあ」と考えている人。どっちが幸福度が高いでしょうか。

とはいえ、後者の境地に行くのってなかなか難しいです…。かくいう私もすぐ忘れてしまいます。目が覚めることも、ご飯が食べられるのも、記事が書けるのも当たり前と思ってしまうんです。充分に凄いことなのに。

この映画のおかげで、無駄に大きな悩みで頭がいっぱいになった時に「あ、今できることだけやればいいんだった」と切り替えることができるようになりました。

私はなにかと「世界平和」とか「環境問題」「経済問題」に思いを巡らせては「大金を寄付できたらいいのにな」とか「どうして意地悪な人が多いんだろう」と考えてしまいがちなので、そういう悩みから解放されるきっかけになりました。

たった今、自分にできることをする。ご機嫌でいるとか、健康でいるとか、家族や友人と楽しく過ごすとか。ほんと単純な答えなんですけど///

そんな小さな喜びに気づかせてくれるのがこの映画です。出会えてよかった。

最後にダウンサイズのお気に入りの曲を置いておきます♪

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