ほっこり(*˘ω˘)
去年の4月ごろに上映されたものですが、近くの劇場でやってなくて見逃してしまいました。
最近はドーパミンがどばどば溢れるド派手な映画ばかり観ていたような気がします。
アベンジャーズしかり、ゴジラしかり、メンインブラックしかり///
この映画でちょっと一息ついたような気分です。
ステーキをもりもり食べた後のケーキと紅茶って感じ。
目次
ネタバレしない程度にざっくり紹介
1927年を生きる、聴覚障害を持つ少女「ローズ」。
1977年を生きる、事故で聴覚を失った少年「ベン」。
ローズは躾の厳しい家から逃げ出して、ベンは唯一の家族である父親を探して、たった一人でニューヨークへと旅立つ。
2人の冒険は「モノクロのサイレント映画」「色鮮やかな現代の映画」として交互に映し出され、時代を超えて少しずつ距離が縮まっていく。
ベンは愛する家族を見つけることはできるのか。
ローズを受け入れてくれる場所はどこにあるのか。
父親が残した本 “驚きの収集箱 ワンダーストラック” に導かれながら、ベンは愛する家族の真実に近づいていく。
色と音の使い方がおもしろい
ローズのシーンは白黒映画で描かれ、BGMで周りの人の感情や動作を表現していました。それこそ大昔の映画って雰囲気です。
ベンのシーンは現代風の色鮮やかな映像。道行く人の派手な服装や、人の声、歩く音など、明るくはっきり描かれています。最近の他の映画たちと同じような具合です。
この対比を楽しむだけでもワンダーストラックを観る価値は十分にあります。
シーンが切り替わるたびに自分の感覚も切り替わっているような感覚がしたんですよね。
- モノクロでセリフ無し
- カラフルでセリフ有り
両者がころころ入れ替わることで、視聴者の視覚&聴覚が休んだり働いたりする。そんな不思議な映画です。
最初から音が聞こえないローズと、突然聞こえなくなったベン
はじめから聴覚障害を持っていたローズは、音が聞こえないことに対して混乱する様子は見せません。今まで積み重ねた経験や知恵を活用して、不便なことがあってもうまく立ち回っている様子が描かれていました。
逃げたり隠れたりがとても上手♪
対してベンは、自分の声量をコントロールできなかったり、混乱して「聞こえないんだ!」と大声を出したりと、まだ自分の状態に慣れていない様子が描かれています。
また、ベンは音が聞こえなくても自分の口で言葉を紡ぐことができますが、ローズはほとんど言葉を発しません。
そういう描き方の違いも面白かったです。
淡々と前に進む子供たち
私も急に耳が聞こえなくなったらどう思うだろう、と想像してしまいます。
ベンは比較的落ち着いていましたね。
障害について「静かなだけだよ」と表現していたのが興味深かったです。
思ったより悲観的じゃないなーと。
というか、何も聞こえないのに遠くへひとりで旅に出るんですから、なかなかすごい勇気ですよね。
なんという行動力。
家出したローズもそうなんですが、子供たちの淡々と前に進む姿を見習いたいものです。
どんなトラブルが起こっても進み続けたからこそ、素敵なものを見られて、優しい人たちに出会えて、知りたい答えに辿りつけたんだなーと感じます。
私も、あまり深く考えたり迷ったりせず、粛々とブログや創作を続けていきたいです(˘ω˘ )
ジェイミーがとっても可愛い
ベンを助けてくれた少年「ジェイミー」がとにかく愛おしかったですね!
推し。
最初にジェイミーを見た時、博物館までこそこそついてくるベンに対して「なんだよ、ついてくんな!」って言うタイプかと思ってました。
そんなツンツンしたキャラではまったくなく、彼もまた友達や居場所を求めている子供でした。
だからベンが聴覚障害者でも、積極的にさぐりさぐりでコミュニケーションを取ろうとしていました。その姿が健気でとっても好き…
まじめな話になるんですが、彼の態度は見習いたいなーて思いました。
たまにSNSなどで、障害を持った人との関わり方はこうだ、ああだ、と議論が起こりますが、私はジェイミーのように、目の前の人の様子を見てその都度対応するしかないだろうと思っています。
ひとりひとり事情も性格も違いますし。助けてほしいのか、あまり気遣われたくないのかも、人それぞれ。
これが絶対に正しい!っていうのは見つかりません。
聴覚障害に関してほぼ無知でした
とはいえ自分が無知すぎるのも実感します。
まず「聾」って字が読めませんでした。
私は字幕版で鑑賞していたんですが、ベンが「僕は聾なんだ」と言うことがしばしばあったんです。
“つんぼ”って読むそうです。耳が聞こえない方のこと。
初めて知った…!
ただ、ぐぐってみたら差別用語とも書いてありました。
無闇に使うべきでない言葉なんですかね。調べておいてよかった。
最後に
どこまでリアルに描かれているかはわからないですが、少なくとも聴覚障害を描いた作品に出合ったのは初めてで新鮮でしたね。
少しでも知るきっかけになってよかったです。
想像でしか言えないのですが、無音だからこそ見える世界もあるのかなって思います。
ローズのシーンになると、ベンのシーンよりも注意深く画面を見つめている自分に気づきました。
サイレント映画はほぼ視覚情報だけですから、こちらも何が起きているのかを目だけで把握しなきゃいけないんです。
だからシーンが変わるたびに脳がバチン!と切り替わる感覚がしてとっても面白かったです。
よく考えたら、私は漫画やアニメーションもセリフが少ないほど好きなんですよね。
言葉が多すぎたり、音と音が喧嘩しているシーンより、仕草や表情だけで伝えてくるシーンに感動を覚えることが多いです。
可能ならば一言も要らないとすら思っています。
なんといえばいいんでしょ。
花畑を指さして「あ!花だ!花がいっぱい咲いているよ!綺麗だね!」って言うより、ただ目を輝かせて花畑を見つめている姿を映される方がぐっとくるんです。
わかる人にはわかるはず…!!
話が逸れそうなのでこの辺で。
ワンダーストラック、ほっこり温かい気持ちになりたい人に強くおすすめしたい映画です。